おの

おの
I
おの【吁】
〔感動詞「あな」の転〕
驚き怪しむ意を表す語。 おや。 まあ。

「針袋取り上げ前に置きかへさへば~とも~や裏も継ぎたり/万葉 4129」

II
おの【小野】
(1)京都市山科区小野。 勧修寺・小栗栖の一帯をいう。 小野小町の伝説が多く, 真言宗小野流の本山随心院には小町宅跡がある。
(2)京都市左京区八瀬・大原の一帯, 旧小野郷をいう。 「伊勢物語」第八三段, 「源氏物語」夕霧と手習の巻以降の舞台。 ((歌枕))
(3)滋賀県彦根市鳥居本町の古名。 旧宿駅。
(4)兵庫県中南部, 加古川中流域の市。 算盤(ソロバン)と家庭用刃物の生産で有名。 播州高野(コウヤ)で知られた真言宗の浄土寺がある。
III
おの【小野】
〔「お」は接頭語〕
野。 野原。

「萩が花ちるらむ~のつゆじもに/古今(秋上)」

IV
おの【小野】
姓氏の一。 古代の豪族。 近江国滋賀郡小野村からおこるとされ, 山城国愛宕郡小野郷・宇治郡小野郷にも勢力をもった。 小野神社は小野氏の氏神で, 平安時代は学者・歌人・書家などを輩出。
V
おの【己】
(1)反照代名詞。 その人またはそのもの自身をさす語。

「罪もなき人をうけへば忘れ草~が上にぞ生ふといふなる/伊勢 31」

(2)一人称。 わたくし。 われ。

「まだ幼くて~がもとに渡り給ひにしかば/落窪 3」

〔「おのが」の形か, あるいは「おのおの」「おのづま」など複合語としてのみ用いられる〕
VI
おの【斧】
木を切ったり割ったりする道具。 刃のついた厚い鉄片に柄をつけたもの。 片側にくびれを持つか, 刃幅の広いものを「まさかり」という。 狭刃(セバ)。
~の柄(エ)朽(ク)つ
〔「述異記」にみえる爛柯(ランカ)の故事から〕
わずかな時間だと思っているうちに, 長い年月を過ごすこと。 時のたつのが早いことのたとえ。
爛柯

Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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